今でも出産の体験は素晴らしい思い出
AQUA MIXTの水本寛子です。
AQUA MIXTの水本寛子です。
もう1年前の話になってしまいましたが、なかなかまとめて一気に書くことが出来ないお産の体験談。
締め切りのあるTrinityやCOCOLiRAの連載は、ある意味ありがたいですね。
ココリラにてパートナーシップの連載中
今回は、破水の後に陣痛がなかなか始まらず、羊水がどんどん出続けるし、助産院では動かせない(万が一の時に病院に運べない)と言われて、不安がいっぱいの夜を過ごした体験です。
■5月8日(水) 午後10時過ぎ
早寝をして布団でうとうとしていると、突然の破水。
慌ててトイレに駆け込み一番大きな紙ナプキン(生理用)をしましたが、あっという間にグショグショです。
羊水は透明で、そして無臭でした。
後で言われたのは、羊水が無臭なのは子宮の環境が良かったからだそうです。
合成洗剤やシャンプーの影響で、羊水までシャンプーの臭いがする話や、生臭いという話も、産婦人科医の知り合いに聞いたことがありました。
すべては、食べるもの、身体につけるもの次第なのだそうです。
10年以上前から、身体につけるもの(石けん・シャンプーやスキンケア用品)を総見直しして身体に良い物だけに替え、その後ベジタリアンになりなるべく添加物や加工品も避けるようになり、赤ちゃんのための身体の環境を整えてきた道のりでもあったのだと、実感します。
羊膜が破れる場所(上の方か下の方か)でも、羊水の出方が違うそうです。
最初からかなりの量だったので、子宮口に近い下の方が破けたようです。
どんどん出てくる羊水の量に、驚きおののきました。
「一体、お腹の赤ちゃんはどうなってしまうの??」
Be born助産院に電話すると、直ぐに来て下さいとのこと。
まだ前駆陣痛も始まっていないけれども、破水から始まるお産ストーリーは考えていませんでした。
そして何よりも、羊膜の中で守られていたお腹の赤ちゃんが破水によって外の世界とつながった状態になります。
感染症の危険性も出てくるため、破水の時点でシャワー・お風呂などはNGになります。
「お風呂に入った後で(就寝後で)良かった・・・」
■同日午後10時半過ぎ
入院のための荷物はほとんど予定日(5月5日)の健診時に預けていたので、軽装で行くことが出来ました。
身支度を終えると潤治に車を運転してもらい、多摩を出発。
夜の甲州街道は空いていて、スムーズに30分程で世田谷区の助産院へ到着。
陣痛から始まった場合は、本陣痛が5分間隔になったら助産院へ向かうようにと言われていました。
病院での出産よりも、ギリギリまで自宅で待つみたいです。
自分の中では、陣痛が始まったら感覚が短くなるまで陣痛逃しのストレッチをして・・・な~んてシミュレーションしていたのに、予想外の展開。
■同日午後11時過ぎ
院長たつの先生と、夜勤の助産師さん二人に囲まれ、まずは赤ちゃんが元気かどうか。予定日を過ぎて取ってもらったのと同じNST(ノンストレステスト)=胎児心拍モニタリングをまずしました。
破水してしまうと、もう長くお腹の中にいてもらう訳にはいきません。
赤ちゃんの状態次第です。
赤ちゃんの心音が弱ったり、(赤ちゃんが苦しくなって便を出したために)羊水が緑色に濁ったりしたら、すぐに病院へ搬送→緊急帝王切開の可能性もあります。
モニタリングの結果は、驚くほどお腹の赤ちゃんは元気。
夜勤の助産師さんから、「この元気さなら、かなり大丈夫ね」と言われてホッとしました。
しかし、ホッとしたのもつかの間・・・
たつの先生の内診で、子宮口の開き具合をチェックしてもらったところ・・・
(指を入れてチェックするのですが)
「子宮口に届かない!」
ええ??
「赤ちゃんが(子宮口に)降りてきてないから、動かせないです。
とにかく、あまり動かないようにして安静にして横になっていて下さい!」
つまりこういうことです。
赤ちゃんが子宮口に降りてきていない
→赤ちゃんの頭が子宮口の蓋にならない
→羊水がどんどん漏れる
→羊水が急激に減ると赤ちゃんも苦しくて大変なことに?
病院に連れて行こうにも、直ぐには動かせない、ということでした。
ええ~~!もし赤ちゃんに異変が起きたら、今のままだと病院に搬送も難しく、どうなっちゃうの??
でも、元気だって言われたから頑張って貰うしかない。
その時も、羊水はどんどん出ていました。
そして無色無臭だった羊水に、血が混じるようになっていました。
(これは羊膜が破けた影響で、問題ないそうです。)
自分のイメージしていたお産のスタートとかけ離れていて、どうしたらいいのやら。
とにかく、指示に従うしかありません。
そして、長い夜が始まりました。
入院用の部屋が用意されており、一緒にきた潤治も隣で眠れるように座布団が敷いてありました。
「とにかく横になって、安静にして動かないように」
と言われるので、トイレにいくのに立つのもドキドキでした。
そして立つと、羊水がダーッて出る感覚。
助産院のトイレには生理用よりも大きな紙ナプキンが置いてあるので、それを使っていました(本来は産後の悪露用?)。
このまま羊水が出続けて無くなっていったら、お腹の赤ちゃんはどうなってしまうんだろう??
とても不安・・・
私はその時、知りませんでした。
羊水は3時間ほどで全部入れ替わるのです。
(次の日に、見習い助産師さんから教えて貰って、ホッとしました)
ですから、出てもよっぽどの量が一気に出ない限り、ちゃんと補充されているのです。
その代わり、たくさん白湯を飲むように、と指示されました。
この日は全く先の見通しが分からないまま、夫婦同じ部屋で就寝です。
二人とも、とても緊張していたのでしょうね。
それまではゆったりと、お腹の赤ちゃんと胎話をしてきていたのに、さっぱりお腹の赤ちゃんの気持ちも言葉も分からなくなっていました。
■深夜~朝方
ゆっくり休めるかというと、そうもいきません。
何故なら、お腹の赤ちゃんの状態がいつ急変するかも分からないため、1時間おきに心拍の確認をするのです。
そして数回に1回(3回に1回くらいだったかな?)は、NST(ノンストレステスト)の機械で細かく胎動と心拍双方のモニタリングです。
ということで安静にして横になり、うつらうつら眠ろうとしているのですが、1時間経つと夜勤の助産師さんがやってきて、赤ちゃんが元気かチェック。
そしてまたうつらうつら・・・の繰り返しでした。
前駆陣痛まだ来ないなぁと、予測をすべて手放さなければならない状態。
どんなお産がしたいとか、そんな想いも吹っ飛びます。
ただただ、今赤ちゃんが無事でいてくれることを祈るのみです。
そんな夜を過ごした私の横では、緊張とプレッシャーからどっと疲れが出たのでしょう。
いびきをかいて、潤治はぐっすり眠っていました。
想定外の出来事には、からきし弱いのでした・・・
胎話では、出産日も教えてくれない、性別も内緒・・・と秘密主義のところがあった赤ちゃん。
予測を手放す・・・それが、このお産の大きな学びでしたね。