信じ続けるのはタフなこと?「盛夏」

潤治の徒然草

以前、「信じ続けるのはタフなこと?」という短編の物語を書きました。

もう、7年前のことです。
→「信じ続けることはタフなこと?」シリーズ

物語に出てくる「彼」は、自分の望みを知り、行動を起こし、その望む未来を前にしながら、その未来を信じることができませんでした。しかし、それは誰にでもあることで、幸せな自分よりも不幸になっていく自分のほうがしっくりすることもあります。

「受け取ること」という手垢のついたスピリチュアルな至言がありますが、無限の幸せを感じ続けることよりも、我慢すれば底が想定できそうな不幸のほうが居心地が良いなんてこともあります。

今回の物語も、「信じ続けるのはタフなこと?」をテーマに書いていきます。

物語に出てくる彼女は、ある彼に手紙を出し続けます。
思いを紡ぐ言葉が彼に届くでしょうか?

拝啓 ミツル君

8月に入って、暑い日が続きますね。
こちらの夏も朝晩は涼しいものの、日中は厳しい暑さです。

続けざまに手紙を書いてしまったけど、手紙、すれ違いだったらいいな。

学生生活ってどんな感じなんだろう。
ミツル君はサークルとか入ったのかな。

大学生のイメージってわたし勝手に作っちゃっているかもしれない。
サークルと飲み会、バイトして、お金貯めて、おしゃれな洋服に、カバン、靴…w。

こちらはね、夏祭りの準備が進んでいます。
準備している街を見ると、太鼓台が練り歩き、太鼓や笛の音が聞えてきそうでなんだか毎年のことなのに、ワクワクします。花火大会はこの間、観たの。とっても綺麗だったよ。

一緒に観たかったな。

子どもの頃から観ている花火だけど、それがたくさんの人の目に触れることをなんだか今年はとても嬉しく思えたよ。いつまでも、子どもじゃないんだね、わたしたち。

高校を卒業して、いろんな変化があったよ。
仕事で使うから、普通自動車の運転免許も取ったの。
こちらの道路は広いから、運転しやすいって教官が言っていました。
東京の道路は、道幅が狭くて一方通行も多いから大変だって教えてくれたの。

ミツル君は免許、取るのかな?
学生生活では、車ってあったほうがいいんでしょ?

また、勝手な大学生のイメージで話しているね、わたし。

同窓会は、祭りの最終日にするそうです。
連絡はいっているかな。

祭りが終わってからだと、その日は徹夜でカラオケかもしれない。
社会人には応えるよ…w。

でも、ミツル君とまた、一緒にカラオケができるのは嬉しいな。

この間の手紙、読んでくれているのかな。
あの時、ミツル君の気持ちを分かってあげられなくて本当にごめんね。

怒ってる?

また、話そうね。

祭りの日、晴れるといいな。
ミツル君の笑顔見れるといいな。      敬具

早紀

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