秘密を作りたがる人間心理
人間の深層心理にはさまざまな欲望や欲求が存在します。
その中の一つが「秘密を作る心理」です。秘密はわたしたちの生活に欠かせない要素であり、その存在は心理学的にも興味深い現象です。必要があるかないかも人によってさまざまでしょう。秘密を作る人間心理について、その理由や影響について理解を深めていきます。
秘密の本質
まず、秘密の本質について考えてみましょう。
秘密は情報の隠匿や非公開性を指します。
これは個人のプライバシーを守り、
信頼関係を築く上で重要な役割を果たします。
でも、どうして、わたしたちは
時折、秘密を持ちたいと感じるのでしょうか？
人よりも優位に立ちたい
秘密は情報をコントロールする手段として機能します。情報を持っていることは、他人との交渉や関係において一定の優位性を持つことを意味します。特定の情報を隠すことで、他人に影響を与えたり、状況を自分の都合に合わせたりすることが可能になります。このようなコントロール感は、人間心理における秘密欲求の一因と言えます。
どう見られたいかを演出するため
人は自分自身についての情報を選択的に公開したり非公開にしたりすることで、自分というものを築いています。つまり、どう見られたいかによって、情報を出し入れしたり、演出をしているということですね。人には言えない恥ずかしい部分や他人と異なる経験や隠すべき思考を守り、自己の存在意義の一部として維持するのに秘密は役立ちます。
秘密を作りたがる心理の理由
では、なぜ人間は秘密を作るのでしょうか？
以下に、秘密を持つ心理的な理由をいくつか探ってみましょう。
負の感情からの逃避
人は自己評価や罪悪感、恥ずかしさから逃れたいと考えることがあります。特に、他人に知られることで負の評価を受ける可能性がある情報は、秘密にされることが多いです。自分の弱点や失敗を秘密にしておけば、他人からの非難や嘲笑を回避できると感じることがあります。
コントロールと権力の優越感
秘密を持つことで、一種のコントロール感を得ることができます。情報の保持者は、その情報を使って他人を操るか、少なくとも他人に対して優越感を持つことができると考えることがあります。このコントロール感は、自尊心や自己評価を高める手段として機能することがあります。
グループへの帰属欲求を刺激する
秘密は時に、特定のグループやコミュニティに帰属感を持たせるものとなります。一緒に秘密を共有することで、メンバーシップ感や連帯感が生まれ、相互の信頼関係が深まります。秘密の共有は、共通の経験を通じて結束感を高める要因となります。情報を使って仲間はずれをした幼少期の経験も思い出されます。
秘密が持つ影響
秘密を持つことは、心理的にさまざまな影響を及ぼすことがあります。
以下に、秘密が持つ可能性のある影響をいくつか挙げてみます。
ストレスと不安
秘密を保つことは、一定のストレスや不安を引き起こす可能性があります。特に、秘密が他人に知られることへの恐れや、秘密を守るためにかけるエネルギーがストレスの原因となります。このストレスは、身体的な健康や心理的な幸福感に悪影響を及ぼすことがあります。精神的な苦痛にすらなる可能性があります。
人間関係への影響
秘密は信頼関係にも影響を及ぼします。他人に秘密を持っていることが発覚すると、信頼が揺らぎ、関係が損なわれる可能性があります。一方で、秘密を共有することで、関係が深まることもあります。したがって、秘密は関係において複雑な役割を果たすことがあります。SNSの公開設定があることもこのような理由がひとつ挙げられます。
自己評価への影響
秘密を持つことは、自己評価にも影響を及ぼすことがあります。特に、秘密が負の感情や罪悪感に関連している場合、その秘密を抱えることで自尊心が低下し、自分を責めることが増えることがあります。一方で、秘密を上手に管理し、他人に知られないようにすることで、自己評価を維持しようとする傾向も見られます。どちらにせよ、精神的な足かせからは逃れられません。
秘密と健全に付き合う
秘密を持つことは避けられない一面もあります。
しかし、健全な管理が重要です。
以下に、秘密の健全な管理に関するアプローチをいくつか示します。
自己認識と受容を促進させる
まず、自己認識と受容が大切です。自分自身と向き合い、秘密を持つ理由やその影響を理解しましょう。また、自己受容を高めることで、負の感情からの逃避を減少させることができます。秘密を作る必要なく、自己開示が周りに出来ている状態です。
コミュニケーション能力を高める
秘密が人間関係を複雑にすることを避けるために、コミュニケーション能力が不可欠です。信頼できるパートナーや友人とのオープンな対話は、秘密を共有し、関係を強化する手助けとなります。また、誰にでも信頼される人は秘密を作らず人間関係を構築することもできます。
まとめ
秘密を持つ心理は、どこかに自己肯定感が低さや人よりも優位に立ちたいという欲求が見え隠れするわけです。人間関係や自己評価を複雑にしていきます。
秘密を持つことが避けられない場面も多いでしょうが、その向き合い方、付き合い方が重要です。自己認識、コミュニケーション能力、ストレス管理などのアプローチを用いて、健全な秘密の管理を心がけたいものです。
秘密は私たちの生活において重要な役割を果たすものの、その影響を理解し、健康的に扱うことが大切です。
