こんにちは。潤治です
秋が深まっていくのが感じられる今日この頃です。
スーパーマーケットには早生みかんが並び、りんご、柿、ぶどう…と秋の恵みを頂いています。
今では、僕のことをセラピストと呼んでくださる人たちが少なからず、いらっしゃいます。
本当に有難いことです。
しかしながら、20代の頃はスーパーマーケットの青果部で働いていました。野菜や果物を扱っていました。その頃に今のベジタリアン生活を想像することはできませんでした…。上司に恵まれ、たくさんのことを学びました。その上司たちは皆さん、青果“道”を追求する人たちでした。人生を学ぶ瞬間もたくさんありました。
その頃の上司に言われた言葉のひとつに…
「動きながら、考えている?」
があります。
新入社員として、スーパーマーケットの青果部に配属され、
はじめの頃の仕事は “品だし” でした。
納品された青果物を売り場に陳列する作業です。
朝、午後の2、3回に分かれてくる大量の青果物を仕分けしながら、
売り場に陳列する作業は過酷です。
ダンボールで手を切り、コンテナを運んでいるときに身体にアザを作り、
足をコンテナで踏んづけてしまうこともしばしば…。
キャベツの箱だけで、2~3台のコンテナになることもあり、
それを売り場に並べるもの、後で補充するもの といったように分けていきます。
腰にも負担で、また、手はいつも生傷が絶えず、ごつごつしていました。
売り場への品だし、荷降ろしを見ていた上司が僕に言ってきます。
「水本、おまえ、ひとつひとつの作業は早いよね。」
「あ、はい!ありがとうございます!」
「でもな、水本。ひとつひとつの作業がいくら早くても、おまえ考えながらやっているか?
たとえば、今日一日の流れやパートさんへの指示、発注量と今日の売り上げ…とかさ。」
「え、あ、はい…」
「つまりな、お前の荷降ろしも品だしもどういう狙いがあってのことかが見えないんだよ。
品だし、荷降ろしを早く終わらせてしまうことがお前の目的になってやしないか?
何のために今、この品だしをするのか、どう荷降ろしするのか、を考えていないんだよ。」
僕は、いつの間にかスピードを競っているだけの作業になっていたことを上司に見破られ、
とても恥ずかしく思いました。なぜなら、自分の作業の速さに酔っていたから…。
「おまえさ、ひとつひとつの作業の速さはそう変わらないんだよ、パートさんもお前も。
動きながら、お前考えているか?作業にかまけて思考停止してないか?」
「はい…、すみません。」
「また、謝るなよ、水本…。まずは、何のために作業があるのか考えてみろよ。
品だし好きの冴えない青果チーフになるなよな。そういう奴に限って段取り悪いんだからさ。」
確かに僕は、作業をしている時の思考停止が好きでした。
考えずにただやみくもに荷降ろしや品だしをしているのが心地よかったのです…。
見事にそれを言い当てられてしまったのでした。
今、考えると作業は何かを実現させるためのひとつの手段であり、
その何かを実現させるためにはいろいろな手段があったことを
上司は教えてくれていたんだと思います。
つい、動き出すと思考停止しがちな僕に注意を促してくれた上司に感謝です。
「動きながら、考える」 というシンプルな法則は、
今も守っている上司が僕にくれたプレゼントのひとつです。
この法則の良さは怖れに振り回されないという効果もあります。