潤治のライフワーク一歩手前の物語。
前回の続きになります。
「このままでいいのだろうか?」
この問いを持つようになってから、人生は散らかり出しました。
人生を再構築したいと思っていながら抜本的な方法を見いだしていなかった僕は忘れていた夢を思い出し、その実現に向けて行動し始めました。
(写真はイメージであり、水本潤治本人ではありません)
起業というよりは、人生にチャレンジしてみたいという氣持ちのほうが強かったでしょうか。
自分が創り出してしまった「安定への依存心」はありがたいことに離職・離縁を経て崩れ去りました。何かに挑戦しようとする時、創造的になれるのだ!と僕は高揚感に満ちていました。(心の中は不安でいっぱいでしたが…)
「安定を選ぶか自由を選ぶかで人生は変わっていく」
僕は人生の秘密の法則を手に入れたような氣持ちでした。
(そうとでも言わないと、不安に押し潰されそうでしたから…)
心理学を学びなおし、心理カウンセリングの実績を重ね、着実に自分自身の夢に向かっている…。
そのような時に、僕の恩師の知り合いという方からメールが届きました。
「水本さん すでにO先生から聞いてるとおり、御紹介したサプリメントはカウンセリングを事業として立ち上げるために役に立つ情報になるかと思います。今度、お会いして詳しいことをお伝えしたいと思いますが、日程はいかがでしょうか?」
みなさんはこのようなメールが届いたら、どう思いますか?
僕はとても嬉しくなり、人生の扉がまた開くと思いました。
数日後、新宿の駅地下の待ち合わせ場所に行くとバリッとスーツを着たさだまさしと東幹久を足して2で割ったような男性が待っていました。
エネルギッシュな印象を受け、自分があまり接したことのないタイプの人でした。
「O先生から聞きました。水本さんは自分で事業をされたいと思っているんですね?お手伝いさせてください。」
初対面でいきなりのガッツリとした握手をしながらのこの台詞に、別世界にやって来た!と感じました。
とにかく…
未知の世界に足を踏み込まなければ何も始まらない。
何だか分からないものに飛び込んでいく勇気が人生を変える。
この思いは、今もありますが、当時はあまりにも粗削りな感覚を信じて踏み込んでいったように思います。
その一歩がなければ、今のAQUAMIXTは無いのですが…。
さて、その男性とレストランに入り、お話を聴くことになりました。
席に着き、ドリンクを頼むと彼はノートパソコンを開き、パワーポイントでプレゼンテーションを始めました。
その時に理解できたのは、サプリメント事業ではなく、スキンケア事業やインターネットショッピングサイトのオーナーになり、権利的な収入を得ることができるということでした。
権利的な収入を得る?
僕には別世界のお話でした。
その男性は、その収入を得て今も事業を大きくしているところだと話してくれました。
「水本さん、カウンセリング事業のために、ひとつ権利的な収入を得ることができれば素晴らしいと思いませんか?」
僕のひとつの夢は子どもたちのカウンセリングを無料で提供することでしたから、彼の提案に二つ返事でした。
自分の心理カウンセリングやマッサージの経験、スキル、またはそれを生業にしていく自信がないことを棚にあげて、世界を変えるなどという大志を隠れ蓑にしていました。
その大志を生きる自分はとても格好が良かったし、権利的な収入を得るなんてとても選ばれた人間のように、また、とっておきの情報を手に入れたように、思えました。
独立起業する怖さを高揚感で打ち消しているだけだったとこの時は気づけませんでした。
しかしながら、僕の無理矢理なポジティブな姿勢は、周りに火の粉を飛ばしながらも人生を変えていくのでした。
僕は人生を変えるために、周囲に火の粉を撒き散らすコースを選択しました。
違うコースを選ぶこともできたのですが、僕の自分の中にある欠乏意識、セルフイメージの低さ、自己肯定感の低さがこのコースを選ばせることになったのだろうと省みて思います。
起業や独立を考える前に、自己肯定感や欠乏意識と何かしら向き合う機会が必要だったのかもしれません。
僕は目の前にある心理カウンセリング、マッサージと向き合うことなく、この事業に乗り出します。
偽りの大志を持って…。