ほとばしる好奇心のなせるわざか。
人見知りを凌駕する性欲の後押しか。
新人チーフのストレス発散か。
(すべて言い訳です)
仕事も慣れ、ゆとりが生まれてきた頃、
女性にちやほやされる一時の充実感に心も財布の紐もほだされまくってしまった当時の僕でした。
ある時、新人の嬢が隣に座りました。
慣れない手つきと接客業と思えない無口さにおののきましたが、
しばらくすると会話も弾み、なんとなく気が合い、次回も指名することになりました。
そして、よくよく話を聴くと彼女は高校を中退して
そのお店で働くことになったとのことで、とてもお金に困っているようでした。
その年齢で働けるのか?と思いながら、
度量が大きい男を演じたいプライドが肥大化していきました。
彼女は最近、お金を貸した彼氏がいなくなり、
泊まっているウィークリーマンションの支払いができないと嘆いていたのです。
―バカですね。僕が。
言っちゃうんですよね(以下)。
「五万円、あればとりあえずは何とかなると思う。」
彼女の安堵した顔に残念ながらキュンとしてしまったのでした。
このような展開を予測していたのでしょうか。
財布には10万円近く入れておきました。
背伸びしたプライドがなせるわざです…。
躊躇せずに、心の中では「あーッ!」と言いながら、
惜しむ気持ちを微塵も彼女に見せないよう万札を数枚、手渡しました。
「絶対に返すからね!本当に助かる!ありがとう!」
安心しながら、まっすぐにお礼を伝えてくる彼女の目に
残念ながら胸キュンが止まらない僕でした。
そんなに頼ってくる?
頼りにされている?
僕がいるから彼女の人生は助かる?(→言い過ぎ)
そのように気持ち良くなっている僕はもう少しで、
「出世払いで返してくれればいいよ。」と言いそうでした。
そのお金はスーパーマーケットで買い物をしてくれる人たちからの託されたお金だなんて、
当時は思うこともなく、仕事の我慢料くらいに思っていました。
そのような信託されたお金を僕の欠乏意識を満たすための対価になってしまったのでした。
お金にまつわる価値観、そのルーツや関係を癒すことなく、
自分らしく生きることはこの資本主義社会では難しいと感じます。
そのあたりは「ライフパーパス個人レッスン行動編・発展編」で活かし、癒していきます。
本当、このあたりは大事!見ないではいられません!
僕のアホ、いや、今の話の中で心がざわついたとしたら…必須!ですw。
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さて、胸キュン潤治はこうして簡単に彼女にお金を渡したのでした。
帰り道、僕が鼻歌を歌っていたことは想像に難くないと思います。
俺、いい男じゃーん的な。
いやー、いいことしたね。人を助けたね!
その彼氏なんかより数倍良い男だね。えっへん!
「約束をする」という魅力にご機嫌な僕だったのです。
その対価をすでにもらっているとも気づかずに僕は…。
社会人になってお金を稼ぐようになってから、
はじめてといっていいくらい、ふわっふわっとあぶく銭か!
というお金の使い方だったと思います。
それからしばらく、僕自身が年末年始は忙しくなりました。
どうしているかなぁ、彼女、今ごろ、感謝しているだろうなぁ…
と悦に浸っていました。
お店に行けなかったので、年が明けたら、また彼女に会いに行こうと思っていました。
当時は、携帯でメールのやりとりなんて便利なものもなく、そこには
「約束」への信頼だけが支えだったわけです。
疑うことなく、その信頼にかまけていました。
そして、久しぶりに、お店に行くと、すぐに気づきした。
彼女はお店を辞めていたのです。
がーん。