「なんだか、あの人のことが放っておけない…」
「困っていそうだから、つい手を出してしまう…」
「不機嫌になりそうだから、無理をしてでも機嫌をとってしまう…」

もし、あなたがそう感じて、自分の心と身体を犠牲にしてまで、誰かのために尽くしているとしたら、少し立ち止まって、考えてみましょう。
その優しさは、とても素晴らしいものです。

しかし、その優しさが、いつの間にか、
あなた自身の人生を苦しめる鎖になっていることも少なからずあります。

心理カウンセラーとして、僕は長年、多くの人々の人間関係の悩みと向き合ってきました。その中で、多くの人が、親しい人との関係において、自分を後回しにし、疲れ果ててしまっているのを見てきました。
家族だから、恋人だから、上司だから…。そうした理由で、自分の気持ちを押し殺し、相手の期待にすべて応えようとしてしまうのです。

しかし、本当の人間関係、親密さは、
そうした自己犠牲の上に成り立つものではありません。
相手を「慮りすぎる」ことの罠
※使用したカード「真実の愛のシンフォニーラブオラクルカード」水本 寛子&潤治著
オラクルカードは、わたしたちに、こんな大切なメッセージを届けてくれます。
「あなたにとって大切な人のすべてを受け容れる必要はありません。
あなたの愛を欲する人の期待にすべて応える必要もありません。」
なぜ、私たちは、相手を慮りすぎて、何もかも引き受けてしまうのでしょうか?
困っていそうだから
ひとりで大変そうだから
不機嫌になりそうだから
周りの目も気になるから
これらの理由の裏には、もしかしたら、「相手に嫌われたくない」「自分を良い人だと思われたい」「争いを避けたい」といった、僕たち自身の不安や恐れが隠れているのかもしれません。
これは、決して悪いことではありません。
しかし、自分自身を犠牲にしてまで、相手に尽くす必要はないのです。僕もあなたも、誰かの期待に応えるために存在しているわけではありません。
相手中心」から「自分中心」への心のシフト
健全な人間関係を築くための第一歩は、
「相手を中心に考えるのをやめて、まずは、自分を中心に考えること」です。
これは、自己中心的になることではありません。
あなたがその関係で、どうしたら心地良いのか、どうしたら満ち足りた感覚になれるのかを、まず自分自身に問いかけること。そして、その答えを大切にすることです。
相手と意見や価値観が違うのは当然です。
その違いを無視し、一方的に相手に合わせるのではなく、その違いを尊重し合える関係に、自分を置いてあげること。
そうすることで、あなたは、心のエネルギーを消耗することなく、より健康的で、豊かな人間関係を築くことができるようになります。
「尊重」から生まれる、学びと成長と癒し
相手と自分を尊重し合う関係には、多くの学びと成長が詰まっています。
相手を尊重するとは、相手の意見や価値観を、そのまま受け入れることではありません。それは、「あなたは、そういう考えを持っているんだね」と、ありのままの相手を認め、その人の人生の責任まで背負い込まないことです。
自分を尊重するとは、自分の気持ちや考えを押し殺すことなく、相手に伝える勇気を持つことです。「わたしは、こう思うよ」と、正直な気持ちを伝えることで、相手との間に、より深い信頼と相互理解が生まれます。
そうして構築される関係には、無駄な摩擦がなく、お互いの成長を促すエネルギーが流れます。そして、その関係には、言葉だけでは癒せない心の傷を癒す、深い安らぎと癒しがもたらされるのです。
まとめ 「自分を愛し、他人を尊重する」
「いい人」を演じ、自己犠牲を続けることは、あなたの心を疲れさせ、やがて、人間関係を破綻させてしまうかもしれません。連絡を絶つ、不義理をする、感情の爆発…など。
あなたの愛は、とても尊いものです。だからこそ、まず、その愛を、何よりもあなた自身に注いであげてください。
あなたが、自分自身を大切にし、心地よいと感じる選択をすることで、あなたの周りには、自然と、あなたを大切にしてくれる人たちが集まってくるでしょう。
健全な人間関係は、自己犠牲ではなく、お互いの尊重から生まれます。
そして、あなたの心が満たされている時、あなたは、本当に、周りの人たちに愛を与えられる、慈愛に満ちた存在になるのです。