イクメンという言葉がすでに摩耗している昨今。
偽イクメンも多いのだろうと自らを省みて思います。
そもそもイクメンという言葉は?
2010年6月、長妻昭労働大臣が少子化打開の一助として「イクメンという言葉を流行らせたい」と国会で発言し、男性の子育て参加や育児休業取得促進などを目的とした「イクメンプロジェクト」を始動させたのをきっかけに、同語は一気に浸透した。(コトバンクより引用)
イクメンプロジェクトが起ちあがっていたとは知りませんでしたが、その思いに沿っているのか?商業的に乗っかっているだけなのか?イクメンの特集をしている雑誌はとても多いです。
その影響なのかどうか分かりませんが、子どもの遊び場やイベントにやって来るパパたちはとてもオシャレです。
「え、その服、抱っこする時に汚れない?
痛がらない?伸びちゃわない?
その靴、脱ぎにくくない?立ち座りした時に靴の先曲がらない?
おしっこで濡れたら泣けない?洗濯したら乾きにくくない?」
といろいろと心配してしまう器の小さな僕です。
どんな服着ようかな?ということに頭脳の働きを奪われるのが嫌でユニフォーム化したいくらいな日々です。
先日、娘の小葉とふたりでサンリオピューロランドへ行きました。
そこに来ている家族連れのパパたちは皆、オシャレです。
子どもとペアルックにしていたりするパパを見ると、
「おお?イクメンとはこのことだ!」
とおのののかです、いやおののきます。
小葉とピューロランドの帰りに、
イトーヨーカドーのB1でフードコートの席に座り、
持参のクッキーを食べていました。水も持参ね…。
すると、視界の中に男性が入ってきました。
小っちゃな赤ちゃんを抱きかかえています。
疲れた抱っこひもに抱えられた赤ちゃんは眠っていました。
寝間着としてもイケる毛玉だらけのスウェット上下、
寝癖がそのままの髪の毛、無精ひげにテカった顔、
靴は寒いのに、つっかけ草履…。
とりあえず、赤ちゃんが眠ったので水分の補給にセルフの給水器から紙コップで水を飲み、
自分が食べられるもののメニューを看板を見ながら選んでいました。
出された焼きそばを立ち食いで済ませ(前抱っこだからね)、
ゆっくりと赤ちゃんを起こさないようにフードコートから出て行きました。
「本物のイクメンだ!僕は今、本物のイクメンを見た!」
消費を生ませるためなのか?
妙なイクメンブームでは彼が取り上げられることは無いだろうと思います。
しかし、彼の背中に何か熱いものを感じました。
逃れられない責任と何かを護ろうとする彼の意志に心が熱くなりました。
それが彼の自分勝手なドラマだとしても、彼が成し遂げようとするものに心打たれました。
まるで何かの意志が彼に入り込み、
「これが育てる姿だ!」と僕を叱咤しているように思いました。
彼の家族しか知らない彼の成し遂げようとすること…。
それでいいじゃあないか?と思うのです。
彼の家族がそれを分かっているのなら、それでいいじゃあないかと。
そうして家族のことを思って日々…
生きているママやパパも多いのだろうと思いました。
イクメンと名乗らないパパ、そのブームを他人事に思うパパやママ。
彼のおかげで僕自身の家族に対する姿勢が変わったことは事実です。
アピールもせずに黙々と自分の人生に向き合っている姿が
僕の人生に影響を与えていると彼は知り得ないと思います。
情報が飛び交う昨今ですが、自分の思いを貫くだけで良いと教えてくれた彼でした。