信じ続けるのはタフなこと?(3)

ハッピーライフ

こんばんは、潤治です三日月DW086.jpg
まだ、夜が明けない早朝に、空を見上げると月が空高くにあり、太陽が現れるまでの時間、月光浴をしてみました。吐く息は白く、ひんやりと空気は湿気を帯び、肌を撫でます。
そんな朝を迎えるために、早寝早起きの潤治なのでした。
さて、今回は、前回の記事“信じ続けるのはタフなこと?(1)”
“信じ続けるのはタフなこと?(2)”の続きです。
少し昔の物語です。携帯電話が無かった頃の、相手との約束だけが頼りだった頃の…。
怖れや不安などで、本来ある自然な姿を見失ってしまう時、人はエゴの塊だったりします。
たとえば、猜疑心で自分を過小評価することもそうです。
自分だけが不幸になろうとする貧困意識もそうです。

豊かさのシャワーは、誰にでも等しく降りそそいでいますが、
それを受け取らないでいようとする人の弱さがあります。
そんな弱さを持つ男性“彼”が、ある憧れの女性に裏切られてしまいます。
…と彼は少なくとも、“裏切られた” と信じています。
その彼のその後です…。


彼女に裏切られてから、彼は女性と付き合うことになると、
“そうはいってもあなたは僕のもとからいつか去っていくんでしょう?”
と思ってしまうのでした。
まるで、心の深いところでは、去っていくことを望んでいるかのように…。
そんなことに微塵も気づかず、彼は “信じては裏切られる…”
という人生のパターンに慣れていきます。
そして、裏切られると心のどこかで安心している自分を垣間見ることもありましたが、
その意味はあまり考えずにいました。
裏切られた自分…
騙された自分…
というレッテルを貼ることで、彼は昔の自分を守っているのでした。
やっぱり、価値のない自分でいるほうが楽。
やっぱり、劣等感の中にいる自分のほうが自分らしい。
悲しいけど、そう考えているほうが、楽なんだ…。
信じ続けるのは苦しいから…。

しかし、ある日、思い出いっぱいのあのお店に立ち寄ることを決意します。
このままでは、人と真剣に付き合うことができない…
裏切られた自分を、騙された自分とサヨナラしなければ、…
僕は新しい人生を始めることはできないッ!

新しい扉を開こう…
そう誓う彼でした。
彼女との思い出が詰まったそのお店を目の前にすると、
何故だか、お店に入りたくない自分がいます。
お世話になった店長がいて、思い出話で盛り上がるのは簡単に予測がつくのですが、
それなのに足が前に進みません。
そのまま踵を返して、家に戻ろうか…でも、ここまで来て何をやっているッ!
…と頭の中で暫く、勇気と怖れの対決がなされた後、彼はそのお店の扉を開きました。
カランコロン…
懐かしいお店の匂い、温もりを感じながら、厨房の中にいる店長に挨拶しに行きます。
「店長、お久しぶりです!」
店長は目を丸くして、彼の姿を…まるで幽霊を見ているかのように見つめています。
「幽霊じゃないですよ、店長。
今度、無事に就職することが決まりましたので、その報告に来ました。」
「何、何~、久しぶりじゃないの!
ここを辞めた後に、連絡がつかなくなったから心配してたんだよぉ~!
もう、水臭いじゃない~!」
「すみません、連絡せずに…、きちんと挨拶もせずに…。」
「そうだよぉ~、あの後、あの女の人も来てさ…。
君の消息を知りたがっていたよ。もとの住所や電話番号は教えちゃったけど…
連絡がつかないって嘆いていたよ。彼女に連絡ついたの?」
「え、いや、なんで…。彼女、来たんですか?」
彼は鼓動の音が、店長に聞こえてしまうのではないかドキドキしながら、
尋ねました。
「約束してたんだって?会う約束をしていた日、
彼女が行けなかったのは、緊急入院していたからなんだって。
数週間、入院していたそうだよ。その後もどこかの田舎で養生していたらしい。
そのことを謝りたいから…って。
彼女がまた、お店に来れるようになった頃には、君がこのお店を辞めていたからね。
彼女が連絡先を渡してくれたけど…、僕としてもフォローしようが無かったよ。
彼女、とても悲しんでいたよ。
きっと彼女、勇気を出して、謝りにこのお店の扉を開いたんだろうね。
無かったことにだって出来るのにさ。今流行りのリセット世代ってやつ。」
彼はしばらく、呆然としていました。
店長といろいろな思い出話をした記憶はありましたが、
内容は全く覚えていませんでした。
彼は自分自身で、“裏切られた” “騙された” という物語を選択したのでした。
勇気を出して、過去の自分と会いに行かなければ、新しい扉も開きませんでした。
騙された…
裏切られた…
ではなく、信じ続ける自分を選択することもできたのです。
怖れや不安などで、本来ある自然な姿を見失ってしまうこともあります。
信じている自分を信じ続けるのは少し勇気のいることなのかもしれません。
彼は新しい扉ではなく、閉めっぱなしだった過去の扉を勇気を出して開けたのでした。
 僕は君をきちんと見ていたのだろうか
 君の思いを受け取っていたのだろうか
 僕の思いを伝えてただろうか
 君を信じている僕自身を信じよう
 もう、僕から手を放すのは
 やめにしよう

(終)…彼の人生は続く。

コメント

  1. 潤治 より:

    しんごさま
    コメントありがとうございます。
    こうして、ご縁ができることを有り難く思います。
    信じているかぎり、騙されることも、
    裏切られることもないんだと、思います。
    意味を見出せる勇気を持ち続けていきたいです。
    …という気持ちにさせて頂けたことに
    感謝しています。

  2. しんご より:

    物凄く共感しました。
    そうですよね…相手に
    「騙された」
    と思う自分こそ今の自分を
    写す鏡であって誰一人
    「騙された」
    事実なんてないのにも関わらず
    そんな風に思い込んでしまう
    物凄く大変で辛い状況だとしても
    自分が何よりも相手を大切にしているので
    あればやはり「信じる」
    ではなくて「信じ続ける」
    ことをどれだけ自分の中で
    出来るかで自分の未来も変えていくことが
    出来るんだなって思います
    人生は自分が考えイメージどおりの
    人生になることを最近は強く
    学び肌で感じています
    そしてやはり
    自分の信念を強く持ち
    自分らしく進むことが
    大事であり一度決めた事に対しては
    覚悟を決めて最後まで遣り通す
    それが何よりも大事だと
    心に命じています
    改めて今日はまた信じ続けようと
    思えるきっかけとなりました
    有難う御座います

  3. 潤治 より:

    あゆみさま
    コメントありがとうございます。
    あゆみちゃんのブログを読む機会は多いので、
    久しぶりな感じがしません…(笑)。
    信じること…と同義だと僕は思っているのが、
    「自分を裏切らない…、嘘をつかない」です。
    彼の人生が少しでも、あゆみちゃんの
    お役に立てたら彼も本望だと思います。
    ありがとう。
    感謝をこめて

  4. もりおかあゆみ より:

    ご無沙汰してます。
    久しぶりに伺いました。
    なんか読んでて涙出ちゃった。
    信じること、最近のテーマです。
    涙で少し解放されたかなぁ。
    ありがとう。

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