こんにちは。潤治です
今日は秋の風が吹いています。
松田聖子さんの 「風は秋色」 を思い出します。
泣き虫なのはあなたのせいよ…ふるえる心愛のせいなの…♪ と歌い出しはしませんが、
秋の風が吹くと、なんとなく思い出す歌詞です…。あなたのせい…って(汗)…みたいな。
さて、先日の記事 「嫌いなままでいられなかった」 への反響を嬉しく思います。
少し昔のお話、コールセンターで僕がアルバイトをしていた頃の体験をこれからも綴っていきます。
日記に書いたのは、その現場に入りたての頃、とても嫌いになってしまった年上の男性のことでした。上司でもないのに、上司のような立場から、発現する言葉のひとつひとつに反応する僕がいました。今ではとても感謝しているのですが、その当時はその有難さを受け取れずにいました。
あまり、人を嫌うということがなかったので、
その男性は僕の心にある意味新鮮な経験をさせてくれるのでした…。
今回は、その現場で行われてた定例会議でのお話です。
コンフォートゾーンから抜け出すお話でもあります…。
その会議は無意味で、問題となっていることも話し合わず、
ただただ連絡事項を伝え合う場という、「紙配布でいいんじゃないの?!」 みたいな空気の流れる雰囲気でした。
派遣会社が数社入っているセンターだったので、意思統一みたいなものが必要なのに、
バラバラであるがゆえにそこで働く人たちにいい影響がないという状況でした。
某テレビ局の視聴者センターなので、テレビを観た人たちからのクレームやいちゃもんなど電話が鳴りっぱなしです。
「細木○子を出すんじゃねえよ! あの番組観ていると不愉快なんだよ!」
という筋違いなクレームの数々…。
そのせいか、そこで働く人たちのモチベーションはとても低いです。
職場をよくしていこうという気概は皆の心の中に隠れてしまっています。
人の怒りを吸収すれば、疲れてしまうのは当然かもしれません。
その雰囲気の中でいつも思っていたことがあります。
職場の意思統一のために、ミッション・ステートメント(※)を作ろう!
日頃、皆が困っていることを会議の場で、問題定義して話し合いをしよう!
というものです。
※使命や信念、モットーなど。この場合は職場の全員で作り上げる方向性のようなもの
数社の派遣会社の垣根を越えて意思統一をしたほうが、
きっと職場の雰囲気も変わるだろうという思いがありました。
そのことをいつか会議で言おうと思っていました。虎視眈々とその機会を伺います。
ある日、決行する日が来ました。
その部署の社員の方、数社の派遣会社からの派遣社員の皆さまが数十名集まり、
いつものように連絡事項をただただ伝え合う場になりました。
いつものよう…ではなかったのは僕の心の中です。
“いつものように終わらせてしまえば、このドキドキは治まるよ”
“何も波風を立てずとも、静かに我慢していれば嵐は去るさッ”
“お前の嫌いな上司だって、さらにお前のことを攻撃するぞ?”
“いい格好したいだけなんじゃないか?お前は目立ちたがり屋だな!”
いろいろな声が聞こえましたが、
僕の心は決まっていました。
“失敗することよりも、しなかったことに対する後悔を怖れよう!
恐怖心に僕の行動をゆだねてはいけない”
ということでした。
会議の場で室長が…、
“何か意見のある人はいますか?”
と言いました。
肺の奥が熱くなり、耳鳴りがします…。
「あの…、3分だけ時間をもらえますか?」
もう、後には戻れません。
もう、あの頃の僕には戻れません。
もう、あの頃のふたりには戻れません(笑)。
「…どういうセンターにしたいのか、話し合うべきです。
働いているメンバーを非難や中傷するよりも、提案したり、協力しあう場が必要です。
視聴者を攻撃するような話し方ではなく、その対話に価値を与えるようなセンスが必要です。
そのために室長が自ら方向性を指し示すことが大切だと思います。
それがぶれると全体がぶれます。
絵空事のようなことを1アルバイトの人間が言っていると思われるかもしれませんが、
その絵すら、描けていません。 現状維持は後退です。
このセンターの3年後、5年後のために、意思統一を真剣に考える必要があると思います。」
…とところどころ、噛みながら…、言い切りました。
職場の社員や、あの嫌いな上司も目を閉じて腕組みして聞いているいるし…。
とんでもないことを言ってしまったのかもしれない…!
だから、やめとこうって思ったのに…。
クビだな、僕、クビだな…。
目を閉じて腕を組んで聞いていた上司が開口一番…
「いや、水本君の言うとおりですよ!僕も大賛成です。
日頃からずっとそう思っていたんですよ!室長に是非、彼を意見の回答を求めたいです。」
若干、鉄砲玉に仕立て上げられた感はありましたが、
その後、室長にはその件を誠実に受け止めていただき、派遣社員の方々の思いを幾ばくかでも、伝えられることが出来ました。
社員の人の中でも、よく室長に言ってくれた!震えが止まらなかった…。感激した!と言ってくださる方もいて、後日、なぜか飲み会に誘われることになります。その頃はベジタリアンではなかったので、御寿司屋さんでたらふく鮨を食べ、タクシーで送ってもらいました。リッチすぎる…。
そして、その社員の方が、その職場の仲間を集めて僕が開催していたワークショップにも行きたいと言ってくれて、予想しない展開になっていくのでした。
ほんの少しの勇気が、予想しない状況を引寄せると感じた出来事でした。
その後、その上司のような男性も、僕のことを攻撃することはなくなり、好意的になってくれたのでした。
“失敗することよりも、しなかったことに対する後悔を怖れよう!
恐怖心に行動をゆだねてはいけない” ― 潤治
「真の『失敗』とはッ! 開拓の心を忘れ! 困難に挑戦する事に、
無縁のところにいる者たちの事をいうのだッ!」
―MR. スティーブン・スティール
※荒木飛呂彦著 「ジョジョの奇妙な冒険 第7部 スティール・ボールラン」 より