おはようございます、AQUA MIXT 潤治です。
先日の記事「SLOW LIFE、SLOW LOVE…(1)」の続きになります。
自分の心を穏やかに保つことが、パートナー、周りの人たちとのコミュニケーションを豊かにするということ、そしてそれを阻害する「せっかちコミュニケーション」があるというお話でした。
今回は、その「せっかちコミュニケーション」を
促進させるものについて、考えてみたいなと思います。
まだ、携帯電話というものが…、
かなりのお金持ちか暴力を好んでビジネスツールにされる方々以外は持っていなかった頃、
連絡手段は固定電話でした。
お付き合いしている彼女に電話しようと思っても、お母さま・お父さまが電話口に立たれることもよくあり、なかなか電話をするという行為には勇気が必要でした。
なので、デートの日まで話しができなかったり、1度デートの約束したら、その約束を守ることが当然でした。
もし、デートの時間に遅れても、お互いに「待つ」ということしか手段がありませんでした。
強制的に「待つこと」「信頼すること」を学ばされたような気がします。
相手が今、何をしているのか?
を知らずに離れて過ごすことが当然でした。
それでも不安で電話口に立ったお母さまに「娘さんに、○○だとお伝え下さい。」と
折り返しの電話を求めても、彼女から電話がなかったりすると、
嫌われただろうか?とさらに不安になったものです。
(結局、お母さまが娘に伝えていなかったりもする…)
強制的に「不安」「ネガティブに陥る自分」と
向き合わなければなりませんでした。
相手を信じるしかなかったし、相手を信じている自分を信じるしか…
その不安やネガティブに陥る自分を落ち着かせることはできませんでした。
納得できないことも受け容れるしかありませんでした。
今では、携帯電話があり、通話だけではなく、メールも使えます。
また、SNS などのツールにより、
「つながっていること」 が当然のように思うこともできます。
不安はすぐに解消できる可能性が増えました。
「今、何しているの?」
「約束の日程、変更してくれる?」
「今、○○なことがあってさ、君はどう思う?」
「この間の○○、あの時は言えなかったけど、僕はこう思うよ。」
「約束の時間に遅れそう。」
「あの時、なんであんなことしたの?」
本当なら、自分で抱えているはずの不安や疑問をすぐに解消しようと思えば、
その手段は与えられています。
そして、忙しくて、相手とゆっくりと話す時間が無くても、用件とともに、
疑問や不安の解消はできます。
できるような気がする(錯覚する)手段が手に入りました。
スピードとつながりは、瞬く間に僕たちの生活に居座るようになりました。
「待つということの不安や葛藤」を取り除くサービスや手段も同様です。
携帯電話・SNS・インターネット…
「つながっている」という安心感を手に入れることができます。
連絡がすぐにつく、知らないこともすぐに解消できます。
ローン払い・リボ払い…
「欲しいという欲求に耐える」ということをせずに手に入れることができます。
スーパーマーケットのレジ・コンビニ
キャッシャーの進化により、精算するまでの時間が減り、快適です。
店員が「お待ちの方はこちらのレジにどうぞ」と言ってくれます。
デジタルカメラ
フィルムの現像が必要ないので、すぐにどんなものが撮れたか確認できます。
不安・欲求がすぐに解消されるようなサービスがあって、とても便利ですが、
その便利さに慣れた感覚が、人間関係でも通用するとは限りません。
心のスピードは、一定だからかもしれません。
身体や思考がその場にあっても…
心が到着するのを待つ必要が人間関係では大切かもしれません。
ふたりの心がふたりの間に到着すること…。
待つことの贅沢さを…。
そんなコミュニケーションを大事にしていきたいですね…。
人生でいちばん危険なことは、
かなえられるはずのない夢がかなえられてしまうことなんだよ。
―ミヒャエル・ エンデ (ドイツの作家)