いつもお読みいただき、本当にありがとうございます。
AQUA MIXT 潤治です。
先日の記事「アイスひとつ選ぶにも、人生の教えがある(前編)」の続きです。
日常の何気ない選択に、気づきや学びがたくさんあります。
前編では、
心理学でいうところの人生脚本・幼児決断 が
行動を無意識に決定すること。
親からの価値観の相続。
抑え込んでいた感情は必ず表出すること。
その際の表出の仕方にはいろいろな形があること。
信じた自分より、裏切られた自分でいたほうが楽であること。
他人に対して自分がした誤解を自ら解消するよりも、
その相手を誤解したまま過去のものにしたい欲求があること。
それは「被害者意識」が僕たちを過保護にしてしまうかもしれない。
過去を否定することでしか、現在の自分を肯定できない心理。
などが、日常の何気ないシーンで見られるというテーマでした。
今回のお話は、チョコアイスバーを欲求の象徴として描きましたが、
それが恋愛における所有欲求、対人に対する承認欲求、所属の欲求など、
さまざまな欲求(多くは、自分の欠乏意識からなる)に置き換えても、
ひとつのストーリーになるかもしれませんね。
さて、コンビニでチョコアイスバー「森永乳業 チェリオ」と再会した彼のその後です…。
怒濤の質問力の大切さに気づく話になれば幸いです。
チェリオ、リニューアルしたんだ…。
彼はアイスコーナーにあるチェリオを手に取ると、
そのパッケージを眺めていた。
そして、スタンダードなバニラ味に加えて、
ストロベリー、生チョコも増えていた。
彼は久しぶりに見たチェリオの姿に心が踊るのを感じていた。
ワクワクする…
チョコを見るとワクワクしてしまう自分がいる…。
意志の力を借りて、その日は何も買わずにコンビニを後にした。
その日の夜、彼は久しぶりに感じた甘さへの欲求に戸惑っていた。
忘れていたはずなのに、忘れようとしたのに。
チェリオの姿を見てしまって、食べたい!という思いは、
堰を切ったように次から次へと溢れ出てしまうのであった。
あの甘さを口に含んだ幸福感
チョコレートのほろ苦さと甘さの調和
バニラの濃厚な味わいとまろやかな口どけ感
口に残るチョコフレーバー
口の中は、思い出でいっぱいだった。
よし、明日、コンビニに行って買おう…!
惜しみなく、2本は買おう!
3本だって辞さない覚悟だ。
そう決心をした翌日。
彼はコンビニに行く前に、食材の買い出しでスーパーマーケットに出かけた。
いつものようにスーパーマーケットで食材を選んでいると、
普段は決して立ち寄ることのないコーナー「アイス売り場」が妙に気になった。
よし、久しぶりに行ってみよう。
彼は数年ぶりに見る「アイス売り場」に胸がときめくのを感じた。
しかもスーパーマーケット価格が彼の目に飛びこんでくるのだった。
コンビニで126円で売っているようなチョコバーアイスが、
1個98円・3個で280円…
バンドル販売を仕掛けてきているのだ。
※バンドル販売 2個以上買うとお得な組合せ販売のこと
購買欲求を煽ってきているな
その手には乗らないぞ!
僕はチェリオが食べたいんだから。
でも、待てよ。
チョコバーアイスは何もチェリオだけではないよね。
同じようなものが森永乳業から出ているし…
濃厚なチョココーティングを楽しめる「PARM」だ。
それを3本食べられて、280円ならそっちのほうが満足できるかも?
いや、チェリオに恋をしたのに、
なぜ、安売りに心をほだされてしまうのか?
そりゃあ、圧倒的にお得だけど…。
安売りに魂は売りたくないね。
そう固く、チェリオへの思いを貫こうとした矢先、
POP広告のポスターに書いてある文字に彼は気づいてしまった。
「アイスの特売 今日までの限定価格!」
とりあえず、購入してからどうするか考えようか?
今日までの特売なんだから、今日買わなくちゃ損だもの。
絶対、買い!でしょ。
アイス売り場に立つ彼の心は、
葛藤が寄せては返す波のような状態だった。
…とここまでなら…
ただの葛藤の物語である。
自分が本当は何を望んでいるのか分からずに…、
外界の刺激に反応しているだけだ。
抑えていた過去の感情や、忘れようとしていた思考も、
結局は溢れてきてしまうのであった。
安売り、お買い得、期間限定。
買わなきゃ損…。
損か得か?がベースにある質問では、
彼の本当の望みは分からない。
彼自身、自分の心に質問しているのではなく、
思考に質問しているだけだからだ。
なので、
ここからが本当の質問力の出番なのである。
「アイスひとつ選ぶにも、人生の教えがある(後編2)」 に続く。
怒濤の質問力の大切さに気づくお話です。