こんばんは。 黎允潤治です
もう、すっかり秋ですねッ。「木枯らしに抱かれて」季節まであと少しになりました…。
今回は白菜1/2の売り方で青果チーフの経験を問うッ という内容で描いてみます。
スーパーマーケットに入ると生鮮売場は寒くて半袖で買い物は厳しいです。
秋になり、気温が下がってくると野菜の売場も変わってきます。
今まではサラダ・炒め物…などの売り込みから、おでん・鍋などの
商材の売り込みに変わってきます。
特に25℃よりも気温が下がってくるとまずはおでんの売り込みをします。
お盆過ぎのコンビニではおでんを本格的に品揃えして拡販する傾向が
年々強まっているように感じます。具の添加物を語ると長くなりますが…。
おでん商材や鍋商材へ売場が変わっていきますので、そんな
ところも気をつけて見ていると閉店後に青果チーフが売場の陳列
変えをしたんだなぁ…って思えるかもしれません。薬味コーナー
や、サラダコーナーが縮小されているかと思います。
さて、本題の件です。
白菜1/2の売り方で青果チーフの経験がわかるというのは、白菜が売れてくるのは
鍋商材が売れ始める頃です。木枯らしが吹き、立冬の頃、11月上旬ごろです。
そのくらいのタイミングから、白菜1/2を100円で販売しているかどうかです。
拡販する場合、売り手側は利益を考えます。売価-原価=値入(利益)です。
青果売場にも利益高目標があり、そのために売価をどう設定するかが、チーフの力の
見せどころです。
最近はそういう売価を本部で決めている、チェーンスーパーが多いです。
大手のスーパーよりも個人商店を大きくしたスーパーのほうが青果売場は
楽しかったりします。
白菜1/2は導入期には100円で売ると原価は100円くらいなので、儲けはありません。
導入期の白菜1/2を100円で売ると面白いように売れます。
そんな価格で売るスーパーはあまりないからです。
買い手は白菜が手に入ったから、きのこも何種類か購入して、春菊も100円
なら買っていき、野菜の買い物の点数は増え、売り上げはあがります。
メニューが売り手側から決められるという状態です。
白菜1/2・えのきだけ・エリンギ・春菊がすべて100円だったら…、
買っちゃいますよね。
ただでさえ、献立を考えるのは大変なのですから。
生椎茸の100円はまず国産ではありえません。
中国産は冒険心から試したくなりますが、僕がチーフをしていた頃、
中国産の生椎茸をパートさんがパック詰めしていて、手がかぶれて
しまったことがあります。そのことを思い出しては、
国産、国産ッと言いきかせています。
「売場にはストーリーがあるかでセンスを問われるんだよ。」
と教えられたものです。
野菜売場の平台や価格訴求をしてあるものはこうしたメニュー提案が
されているのが基本です。
なので、鍋商材の核である白菜をいかに時期早くから買い手の印象を
よくするかで、その後のお店への来店回数が変わってきます。
早くから売り込むことで、買い上げ点数をあげたいのが青果チーフの狙いです。
儲けがなくても早くから、売り込めるかが大切です。
白菜の売れるピークには白菜1/2は100円でも儲けは
30円くらいはあります。
そのタイミングで、100円にしても、意味が無いんです。
どこのスーパーでも100円だからです。
原価で売るというのは…
買い手側を信頼し、報酬の遅れに耐えられる精神力を持ってできる
売り方なんです。
でもでも、最近のスーパーは本部からの指示で売価も決まり、
こうした売り方をするとしたら、規模の小さなスーパーマーケットなんです。
大型チェーンよりも商店街、小型チェーンが熱いです。
青果に関してだけですが…。
きのこ類も大手のメーカーが大型チェーンに卸しているので、
小回りのきく小型チェーン店では、ブランド力はないけど、
味はあまり変わらないきのこ類を売り込むことが多いです。
エリンギで有名な「ホクト」・まいたけで有名な「雪国まいたけ」
などがシェアを占めていますが、そのほかにもきのこ類のメーカー
は数多くあります。
そういうマイナーなメーカーを購入するのも楽しいものです。
目先の利益ではなく、報酬の遅れに耐え、支持を得る…
…という売り方が出来ているかを見るのが買い物をしている時の楽しみのひとつなんです。
この季節は白菜1/2の値段をチェックしていましょう。
きのこ類の話もしたかった…(続く)
愛と感謝を込めて