これ以上、君を傷つけることはできない…僕はLonely Butterfly

娘の小葉(このは)と妻の寛子。

このふたりは僕をのっぴきならない状況に追い込むことがあります。
こういう言い方をするのは、僕の培われた「被害者意識」のなせるワザなのです。

先日、寛子と小葉がベランダで炎が少ない線香花火をしていました。

夜風が強く、ベランダで花火をするなんてご近所の迷惑ではないか?と思いながらも、
ふたりの楽しそうな雰囲気に強くも言えませんでした。

ふたりの楽しもうとする意志の前に僕のなんとなくの忠告など無力です。
「する!と決めたら、する!ふたりだからです。」

ベランダから楽しそうな声が聞こえてきました。

楽しそうなふたりね、花火が出来て良かったね…。
と思っていると、ベランダで小葉の悲鳴があがりました。

「ど、ど、どうしたの!!?」

線香花火の火玉が小葉のサンダルの中に入ったようです。
泣き叫ぶ小葉の足の裏を見ると赤黒い火傷の跡ができています。

僕の心配が臨界点を超え、怒りに変わりました。

「だから、言ったじゃない!風で危ないからよしなって!
どうして、そんな危険なことをするの?寛子も一緒に花火をしてどうすんの?
小葉をしっかりフォローしてあげないで何してんの!!」

と寛子と小葉に怒鳴りつけました。

そんなことをしている間に僕にできることはたくさんあるのに、
僕は僕の心配や怖れ、自分を責める氣持ちから逃れようと怒鳴るのです。
ふたりを叱っているというよりも、僕の怖れを大声で発表しているという感じでした。
(バカでしょ?)

怒りと心配が入り交じり、僕はとてもとても感情的になりました。

横たわらせた小葉に僕は…

「大好きな人が痛い思いをするなんて僕は耐えられないの。
怖くて怖くて、とっても怖くて怒ってしまったの。ごめんね、本当にごめんなさい、ごめんなさ~い!」

と号泣しながら、アクセス・ツールを火傷した箇所に施していました。

感情的になって僕は軽いパニックです。
程度はあるにしても、のっぴきならない状況は日常茶飯事です。
そのひとつひとつに反応する自分がいました。

本当は、そんな自分が果てしなく情けなく、
そのような感情の渦に呑み込まれていく自分を見たくないわけです。

家族はその情けない僕の一部始終を見ています。
情けないし、恥ずかしいし、悔しいし、僕はどこかに逃げたくなってしまうのです。71ba092e5566a74ad0ebd3d40a7792cf_s

そういえば、学生の頃に付き合っていた彼女と駅で待ち合わせをした時のこと。

西武百貨店の入り口でと約束したはずなのに、
なかなか来ないので、僕は軽くパニックになりました。(いともたやすく簡単に…w)

1時間くらい待って合流したのですが、
怒っている僕に言いづらそうに彼女が西口と勘違いしていたことを話してくれました。

「西武百貨店の入り口って言ったじゃない!
何で確認せずに西口の喫茶店に入って待っているんだよ!
僕がどんなに心配したか分かるの!?」

と人目をはばからずに怒鳴っていました。(バカでしょ?)

マイペースな彼女と心配症の僕がなぜ付き合うことになったのか不思議ですが、
そのようなやりとりがいつもいつも繰り返され、僕は疲れ果てました。

「僕だけ、怒っているじゃない!!?」と彼女に怒りました。(バカでしょ?)

もう、そういう自分の姿を彼女にさらしているのが嫌になって、
僕は彼女と別れることを決意しました。
別れ方は最低な方法だったのですが…。

自由な蝶のように、飛び回るような彼女に僕はほとほと疲れ果てたのでした。
感情的になって情けない自分を見続けるのも辛かったし、
その自分を許せるほど僕の器は当時、大きくありませんでした。

「お互い傷つけ合うから…。」

と格好の良い、どこかのドラマで聞いたことのある、台詞を言い放ち、
卑怯な僕は彼女と別れました。正直、ホッとしました。

しかし、それと同時にそんな自分がひどく嫌になり、
しばらく吐くほどお酒を呑むことも、その場限りの異性関係にも溺れました。

好きな人が出来て、その人に感情的になっていく自分を見続けるのが怖かったのです。
それだったら、自分ひとりでいたほうが良いのでは?と思ってひとりになってみるのですが、
すぐに寂しくなって女性に溺れるわけです。

愛し愛される関係を神に望みましたが、

僕が欲していたのは、甘えさせてくれる女性であり、
僕を絶対的に安心させてくれる女性でした。

それが手に入らないと「○○してくれない!」と思って、
彼女たちから飛び立っていくのです。(くれない症候群ね…。)

「おまえが勝手氣ままな、覚悟も出来ない不自由な蝶だ!」

とツッコミを入れてくれる人もいなく、覚悟あるふりをして寛子と結婚しました。

「くれない」と思っているうちは、何も手にしないこと、自分の人生に責任を持ってこそ、
自分の人生を自由に生きられることを学び続けているように思います。

少しは成長したかと思いきや、小葉が生まれてきて、
僕の癒されていない感情があぶり出されて、
慌てふためき、うろうろする僕です。

自分の感情と向き合い、責任を持つことができるようになる道はずっと続くのかもしれません。

ああ、聖人君子になりたい…w。

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