こんばんは。寛子です
近年のエコロジーブームで、マイ箸を持っている人も多いかもしれません。
『割り箸を使わなければ、森林が守られる。』
それは、嘘ではありません。
『割り箸を使えば、森林が守られる。』
これもひとつの真実です。
割り箸にまつわるエコロジーについて、ご紹介します。
写真は、潤治が先日近所のスーパーで買ってきた割り箸です。
「使って守ろう!日本の森林」
と書いてあります。 それって、どういうこと
日本は木の文化ですね。私たちの木の文化と共に開発された箸。
使い捨ての象徴としてしばしば割り箸は批判の対象とされてきたため、森林破壊の観点からの批判は「割り箸を使用することにより熱帯雨林が破壊される」という偏った報道に煽られた部分もあります。
私が中学生の頃、1980年代にこういう報道があり、「割り箸を使うべきではない!」と、単純な私は主張しました。当時親しかった友人から、「割り箸業者の生活は、どうなるの?!」と、国内でどのように割り箸が作られているのかを知らなかった私に、厳しい一言。
問題の表面だけでは語れない…今でも、心に残っています。
実際…国内産の割り箸は、間伐材や木材加工時における捨てられる廃材・残材・余材等木材として利用価値の無いものから割り箸や爪楊枝にして販売し、その収益を植林に利用するなどしていたものなのです。
国内産の割り箸を使う分には、森林破壊への大きな影響はほとんど無いのです。
潤治が買ってきた割り箸は、国内の間伐材利用の割り箸でした。
間伐材とは…?→ 一分間でわかる間伐材クイックツアー
日本の国土は67%が森林という、森に育まれた国です。そのうち約半分が、人工林です。
薪を燃やしていた時代から石炭・石油などの化石エネルギーに変わり、人工林の杉の用途がなくなり、杉花粉の問題になっていることは花粉症で悩まれている人は痛感されていることと思います。
実はこの人工林は、人の手が入らないと、荒れていく一方なのです。木が密集し過ぎると日当たりが悪くなり、結果全ての木が弱くなって森の機能を果たさなくなります。
森が機能しなくなるとどうなるか、想像出来ますか?! 水源の水を保持できなくなる、土砂崩れ、はげ山化、さまざまな問題が起こります。
間伐をすることは、日本の森を守る方法なのです。→日本の森を守る「間伐」
現在の割り箸は、海外から安い輸入品に押されています。
日本で使われている割り箸の9割以上は中国のもの、そして最近は中国だけでは足りずに、モンゴル、ロシア、東南アジアなどの木材も使われているそうです
一時期、中国産の割り箸の漂泊剤や防腐剤の問題が、よく報道されていたことは、記憶に新しいですね。人体に悪影響が懸念されているものです。オーガニックレストランなどで、無漂白の割り箸を見ることも増えました。
国産より安いという理由で、輸入の割り箸に押されているのが現状です。
しかし、その割り箸は森林を乱伐や皆伐をした木材から作られているケースが多く、その森林の手入れがその後されていない可能性が高いのです。
ひとりひとりがマイ箸を持つことも、すぐに出来ることとして大切な一歩ですが、それは全てではありません。
マイ箸ブームが来ても、割り箸消費量は増えているのが現状です。
割り箸問題の本質は、別のところにあるからです。
安全性よりも、環境問題よりも、安いものを優先する、儲けが第一の企業意識。
また、エコロジーブームを利用して儲けている業者も少なくありません。
そのマイ箸がプラスチック製だったら…割り箸を使うよりも、エコではないかもしれません。そのマイ箸を作るために、割り箸を燃やすよりも二酸化炭素を排出しているかもしれません。
また、そのブームはある企業の、エコを謳った戦略だったとしたら…?!
環境問題は、いろいろな問題が複雑に絡み合っているので、一言でこうすればエコだ!とは言い切れません。
ひとりひとりが、表面的なエコロジーブームに流されることなく、その問題の本質を見極めようとする意識が、これからの時代は必要になってくるでしょう。
偽善エコロジーという本も、あるほどです。
スーパーのレジ袋を使うことは実はエコで、エコバッグはエコではなかったとか、ペットボトルのリサイクルはエコではないなど。
今後もいろいろな問題を紹介しながら、多角的にみなさんとエコロジーについての本質を考え、意識を変えていく場を作りたいと思います。