作業に逃げすに、本当の仕事をしろ!

潤治の徒然草

こんばんは、潤治です満月IMG_0613.JPG
明日は十五夜…、空に素敵な月を見られることを祈ります。
ここ数日、メディアから流れる情報に心を痛めることが多々あります。買い物に行けば、保存食を大量に買っている人を見て心がざわつきます。生鮮食品はそう売れていないのに、カップラーメンやパン、レトルト系のものは品薄状態です。ベジタリアンの僕たちには、あまり関係はないのですが…しかし焦ります、何か。
明日から3日間、ワークショップやレッスンで用意するランチの材料を買い出しに行きました。部活かッ!ってほどの大きなバックに、野菜・果物を詰め込みました。スーパーマーケットの売り場を見ると自然に癒やされます…。
今では、僕のことをセラピストと呼んでくださる人たちが少なからず、いらっしゃいます。
本当に有難いことです。
しかしながら、20代の頃はスーパーマーケットの青果部で働いていました。野菜や果物を扱っていました。その頃に今のベジタリアン生活を想像することはできませんでした…。上司に恵まれ、たくさんのことを学びました。その上司たちは皆さん、青果“道”を追求する人たちでした。人生を学ぶ瞬間もたくさんありました。
その頃の上司に言われた言葉のひとつに…
「作業に逃げずに、本当の仕事をしろ!」
があります。


青果部で経験を積んでいくうちに、
入社して1~2年も経つと上司に仕事を任されるようになっていきました。
発注・納品・陳列・品だし…、青果部の仕事の全体像が見えてきて、
パートさんたちへの仕事の割り振りもうまくできるようになっていきました。
仕事中に冗談も言って、パートのお姉さまたちとも仲良くなり、
いっそう仕事が楽しくなりました。
僕ひとりに、この売り場を任せてもらっても、売り上げを作ることはできるんじゃないか…
と少し天狗にもなりました。
普段の上司の仕事っぷりは、ほとんどタバコを吸って休憩しているか、
他店のチーフと電話で話をしているだけで、あとはパートさんに指示を出して、
自分で作業をすることはあまりありませんでした。
いつ仕事しているんだ?
ほとんど、仕事なんてしていないじゃないか!?

…と僕はいつも疑問に感じていました。
数年後、その疑問が解ける時がやってきました…。
新しいお店を出店することになり、そこの青果チーフを任された時のことです。
しばらくは忙しい日々が続き、他店からの応援ということで、その上司も来てくれました。
新店のパートさんは不慣れであることが多く、僕も手伝っていたので目の回る忙しさでした。
そんな時、上司に言われます。
「水本、おまえ何やってんだよ?」
「はい…?パートさんを手伝って、売り場に品物を出そうと思っています。」
「そうじゃねえょ…、おまえがパートさんと同じ仕事をしてどうすんだよ!ってことだよ…。
わかるか?水本…、おまえは優しいから、手伝っちゃうよな…。昔からそうだったけどさ。
大局をきちんと見る人間がいなくてどうすんだよ。

作業に逃げるなよ、本当の仕事をしろ!
おまえは売り場をふらふらと散歩でもしてろよ。
客の買い物かごの中身、青果物の売れ方、他店の動向、どうしたら売れるのか?
そんなことを考えてろよ。
周りから見ると遊んでいるように見られるかもしれないけどな。俺みたいに…。
周りからどう思われるかとか、パートさんに悪いな…なんていう遠慮から
おまえみたいな仕事“風”のことをするヤツがいるけどさ。
一緒に汗かかないと仕事しているような気がしない…なんて、自己満足さ。」

「そ、そんな自己満足だなんて…、俺一生懸命やっています。」
と僕は心の中を見られたような気がして恥ずかしかったです。
「一番大切なことは、売り上げを上げることだよ、水本。
作業に追われて、クリエイティブなことが生まれてこないとしたら、
それはチーフ失格だよ。
売り上げを上げて、利益を出していくんだよ。
それが、パートさんの待遇をあげることにもつながるんだから。」

…遠慮や罪悪感から、本質を見失うことの少なくない僕は、
いつもこの言葉を思い出します。

自分が楽になればなるほど、クリエイティブになれる。
  ―水本潤治(日本の兼業主夫)

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