おまえの売り場を作るしかないんだよ(2)

潤治の徒然草

おはようございます、潤治です晴れFA163.jpg
スーパーマーケットで働いている頃の夢を昨夜も見ました…。
たまに僕の夢の中に出てくる数名の上司…。その生き方は尊敬している人たちです。
人との出会いで、大きく人生って変わっていきます。
あの時の出会いの意味が、今になってわかったりすることも少なくありません。
時を越えて、ひとつひとつの出会いの意味が、パズルが埋まっていくようにわかっていくことを有難く思います。
引き篭もっていたい自分もいますが、この世に生まれてきた意味を知りたい…という好奇心が今の僕を突き動かしていきます。自分自身への好奇心…、とても大切なものだなぁ…と感じています。
どうして、こういう人に会うのか…、こういう機会に恵まれるのか…、その大きな目に見えないパズルを完成させたい…という気持ちです。
前回のスーパーマーケット編 「おまえの売り場を作るしかないんだよ(1)」 の続きを掲載します。
そんなときに、先輩チーフが降格されるという噂が流れてきました…。

会社本部から、“あいつはできない、使えない”というレッテルを貼られてしまったとのことでした。
その先輩チーフはその上司とも一緒に仕事をしていたこともあり、よく知っている人でした。
“ああ、あの人がチーフから降格されるんだぁ…、降格ってあるんだぁ…。厳しいなぁ”
とぼんやりと思っているときに、上司が話しかけてきます。
「なぁ、水本。T がチーフから降格されること、どう思う?」
「そうですね、やっぱり会社からレッテルを貼られてしまうのは厳しいなぁと思います。
せっかく一生懸命やっているTさんがチーフから降ろされてしまうのは可哀想ですよ。」
「あいつはな、チーフという立場に胡坐をかいていたんだよ。
急に売り場の作り方が変わったからな。
売り場に工夫がないし、陳列もだらしなかった。
鮮度も悪かったし、それじゃ、チーフを降格されても仕方がないよ。
会社のいうとおりに売り場を作ってさえいればいいと思っていたんだよな。」
「会社の指示するように売り場を作っていても駄目なんですか?」
「考えてみろよ、水本。
会社の指示を守っていたって、チーフを降格されることだってあるんだよ。
そのうえ、“あいつはできない”というレッテルまで貼られるおまけつきだぜ。
あいつはな、会社の指示を守っていたんじゃないくて、会社に依存していたんだよ。
「会社に依存?」
「そうだよ、指示に従っていれば大丈夫ってな。
あいつはチーフになってどうなりたかったんだろうな。
どんなチーフになりたかったんだろうな。
「どんなチーフ?」
「水本はどんなチーフになりたいんだよ?どういう売り場を作って、どんな客を相手にしたいんだ?」
「僕はチーフになりたいなぁ…と漠然と思っていました。
でも、どんなチーフになりたいかまで、考えていませんでした…。」
「水本、いいか? それがないと会社のいうことにふりまわされるぞ。
会社本部のいうことなんて、机上の空論だからな。
あてにするほうが間違っているんだよ。
現場にいる自分を信頼せずに、会社本部をあてにするチーフにはなるなよ、水本。」
「結局、後悔しないためにも、人のせいにしないためにも、おまえの売り場を作るしかないんだよ。」
その後、僕はどんなチーフになりたいかを考えながら仕事をするようになりました。
チーフになって、どんなものを創りだしたいか…。
まわりの意見にふりまわされるのは、
自分自身が信じるものがないからかもしれないと気づきました。
自分自身を信じることが人のせいにしない生きかたであることも。
まわりの意見を自分の判断で取り入れていく…
YES、NO の基準を自分の中に作っていく…
どんなチーフになりたいか…と上司の問いは
そのときの会社を辞めてしばらくして、どんな人生を歩みたいのか…
という問いのように聞こえてきました。
人生の現場にいる自分自身を信頼せずに、人の意見に翻弄される…。
自分の人生なのに、人の判断に依存して、責任を受け入れずにいる…。
そんな自分になることもあるけれど、
そんなときに上司の言葉を思い出します。
「結局、後悔しないためにも、人のせいにしないためにも、おまえの売り場を作るしかないんだよ。」
「俺たちはな、サラリーマンじゃないんだよ、一国一城の商人なんだよ(笑)。」
僕の学んだ売り場は、人生そのものだったのかもしれません。

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