信じ続けるのはタフなこと?(1)

ハッピーライフ

こんばんは。潤治ですやや欠け月iphone/image-20100827131926.png
今週末は、那須にて 満月のリトリート満月癒しと浄化の3日間 です。
私のエルミタージュ~隠れ家~というコンセプトの森の中の温泉付きいい気分(温泉)コテージに宿泊。
image_gh3.jpg
満月の解放のエネルギーの中で身体を緩め、那須高原の地場野菜で身体を浄化します。
満月のリリース というワークショップは定期的にAQUAMIXT では開催しています。
怖れや不安などで、本来ある自然な姿を見失ってしまう時、人はエゴの塊だったりします。
たとえば、猜疑心で自分を過小評価することもそうです。
自分だけが不幸になろうとする貧困意識もそうです。

豊かさのシャワーは、誰にでも等しく降りそそいでいますが、
それを受け取らないでいようとする人の弱さがあります。
そんなことを短編の物語にしてみました。
この物語に出てくる“彼”は、幸せの絶頂にいたのに、
自らその幸せを受け取ることを拒否します。
それは信じ続けるのが怖かったからです。
それは不幸でいることよりも怖いことだったのです。

今から少し昔、昭和から平成に元号が変わった頃、
自分に劣等感を抱いている男性がいました。
その彼は普段から、その劣等感を克服するために話し上手になる努力をしたり、
少しでもリッチな男に見られるように働いてお金を貯めていました。
頑張って努力をすれば、劣等感を克服できると信じていました。
デートのマニュアル本を読み漁り、モテるにはどうすればいいか?
自分に自信をつけるにはどうすればいいのか? を研究するのでした。
考えすぎる傾向があり、つい、先読みして、予測して、
結局何もしないという癖も持っていました。
そんな自分を彼は好きにはなれませんでした。
そして、彼には気になる女性がいました。
いつも、彼が働いている喫茶店のお客さんです。
夜、サラリーマンが家路につく頃、彼女はお店に姿をみせます。AJ154.jpg
駅前のお店でしたが、オーナーのゆったりとお客さまにくつろいでほしいという想いから、スペースを充分にとり、ソファ席もある、その時代には珍しい全席禁煙の喫茶店でした。
彼女はホットチョコレートをオーダーすると、お店の奥の席で、
文庫本を読みながら、一息つくのがここ数日の習慣のようです。
時折、見せる彼女の微笑みが、彼には美しく映りました。
どんな本を読んでいるんだろう
どんなことで笑っているのだろう

ここ数日、彼は彼女に心を奪われていたのでした。
気になる存在の彼女への思いは、いつのまにか恋に変わっていました。
ある日、彼女と話を交わすタイミングがやって来ます。
その日は、木枯らしの吹く寒い夜でした。
いつも通り、彼はオーダーを取りにいきます。
その彼に、彼女はこう言います。
「いつもありがとう、今日みたいな日は、ホットチョコレートが
本当に美味しく感じるの。今日も一杯お願いできますか?」
こちらを見上げて、話しかけてくる彼女の優しい目に、
内心、彼はドキドキしながらも、平静を装います。
「今日は本当に冷えこみますね。
いつものホットチョコレートですね。
今、どんな本を読まれているんですか?
いつも楽しそうに読まれているが、印象的だったものですから。」
彼の中では、何回も練習したフレーズでした。
ポイントは “いつも ”です。
勇気を出して、彼女と話をするきっかけを掴んだ彼は、
その後も、お店を訪れた彼女と会話をするのが日課のようになっていました。
彼女が読みそうな本をあらかじめ選んで読んでおき、
彼女とその本の話題で盛りあがるのでした。
彼も彼女も、お互いに名前も覚え、名前で呼び合うようになりました。
しばらくすると、
彼女から、いつも話題にあがっていた作家のサイン会があるから
一緒にいかないかと誘われます。
飛び上がるほどの喜びを抑えて、彼はその申し出にOKをして
その日を待つのでした。

どんな服を着て行こうか
どんなお店に行って食事をしようか
どんなことを話そうか

期待は膨らむばかりです。

この世の幸せがすべて僕に降りそそいでいるようだ!
なんて幸せ者なんだ!神様ありがとう!

待ち合わせの約束当日、サイン会のあるお店の前。HAN036.jpg
彼は、少し早めに着きました。
彼女を待つワクワク感は最高潮でした。
彼女の笑顔、仕草、言葉が、自分に向けられるのだと思うと、笑顔がこぼれてくるのでした。
結果から言えば…
彼女は来なかったのでした。

それは彼が作り出した結末でした…。
(続く)

タイトルとURLをコピーしました