心の「傷や擦れ」は独特の味わい

ハッピーライフ

おはようございます、AQUA MIXT 潤治です。
Faith
AQUA MIXT のセラピールームには、松本民芸家具の椅子と机があります。
お越しいただく人たちに心地よく座ってもらいたいという思いで未来を見据えて購入したものです。
松本民芸家具の良さは、使えば使うほど、深みのある味が出てくるというところです。
傷や擦れも、独特の雰囲気になっていきます。
セラピールームを立ち上げしばらくして、沼津にドライブに行き、偶然、見つけた珈琲専門店「あずみ野」というお店に入りました。店内の調度品は松本民芸家具を中心に落ち着いた造りで、店主のこだわりを感じました。
店主が松本民芸家具について語ってくれた時に、
「30年以上使って、傷や擦れは独特の味わいになってくれて、
世界にひとつしかない椅子なんですよ、これは。」

…と教えてくれました。


恋愛処方箋☆セキララレッスンをAQUA MIXT の表サービスとしてから、
バツイチの方のご相談を受けることが増えました。
僕もバツイチなので、共有できるものがあるのかもしれません。
そのご相談の中で、
バツイチになった時の心の痛みや傷を早く忘れる、
そして、癒すにはどうすればいいのか
という問いをいただきます。
人生を共にしようと思った人と離別することは、
自分のアイデンティティを崩されるくらいの衝撃を受けるかと思います。
いったいわたしは何だったのだろう?
どうして、そのような選択をしてしまったのだろう?
何がいけなかったのだろう?

答えの出ない問いを持ち続けることで、苦しむこともあります。
悲しみにうちひしがれる期間もあるでしょうし、
人生に対して、猜疑心にまみれることもあるかもしれません。
その苦しみから逃れるために、
信じた自分や過去を否定してしまうことがあります。
熱が上がりきらない途中で解熱剤を飲んで楽になりたいような気持ちです。
でも、ひょっとしたら
心の痛みや傷を、取り去ること、忘れること、よりも
その痛みや傷を自分しか成しえない個性として受け容れることのほうが
その経験がもたらす意味なのかもしれません。
ファミコンのリセットボタンのように、何もかも綺麗にやり直す必要などはなく、
受けた傷に抗うように、癒す必要は無いと感じています。
大切なのは…、
その傷と 「共にいること」 だと思います。
その傷のせいで(おかげで)感じる世界が僕たちに何を教えてくれているのか…
というセンスが必要だと想います。
そうやって、自分の傷と共にいると、他人の傷にも敏感になります。
敏感になると、他人の傷も穏やかな気持ちで観ることができます。
しかし、過去の痛みを乗り越えるために、自分に厳しく、
頑張って、その傷を否定するように、サヨナラするように、克服していたら…。
心の傷のために、苦しんでいる、迷っている人を見たときに、
「頑張って」と大声で励ますかもしれません、「大丈夫」と寛容になれないかもしれません。
それは自分の傷を肯定していないから。
励まされた人は頑張って克服して、その後、
克服していない人をいったいどんな目で観るでしょうか…。
僕の場合、離婚の傷が、人の傷に敏感になること、
相手を待つことの大切さを心に刻んでくれたし、
人の弱さや自分の弱さ、そして強さを学ばせてくれています。
それは今も、その傷があるから、今の夫婦生活で気づけることがあるように思います。
そして、そうした傷を支配することも、傷の犠牲者のようにならなくても、
傷を大切な友人のように思っていると…、
いつのまにか痛みや苦しみからは解放されていきます。

傷が僕たちひとりひとりの独特の味わいだと
思えるような世界もあるかもしれませんね。

―僕はその世界の住人でいたい。

人生はクローズアップで見れば悲劇だが、
ロングショットで見れば喜劇である。

Life is a tragedy.
when seen in close-up,
but a comedy in long-shot.

―チャーリー・チャップリン イギリスのコメディアン

コメント

  1. 潤治 より:

    かおりさま
    沼津出身なんですねッ。
    お寿司を食べに沼津に行ったのですが、
    ステキな珈琲店に吸い込まれました…。
    音響もステキなお店でノスタルジックな思いに浸れます。
    きっとお母さまも居心地いいかと思いますよッ。
    傷と共にいることがとても自然なことだと許せる自分って
    なんだかいいなと思います。
    人にも優しくなれそうです…。
    感謝をこめて

  2. かおり より:

    自分は沼津出身ですがあずみ野さんは知りませんでした笑
    今度母に紹介してみます!
    今の自分を育ててくれた全ての経験に尊さを感じ、大切にできればと思います。
    素敵な記事をありがとうございました。

  3. 潤治 より:

    ナミさま
    過去の経験のシェアありがとうございます。
    僕たちの心のできる傷という意味では、離婚もいじめも同じかもしれません。
    ○○のせいで…と自分の過去を否定して忘れることも、
    克服して強く生きようとすることもできますが、
    もっと、違うチャンネルも持っていたいなと思います。
    傷は僕たちを磨いてくれた証のように、
    これからもその意味を考え続けたいなとナミさんのコメントのおかげで、
    いっそう思います。
    ありがとうございます。

  4. ナミ より:

    自分の過去にいじめられたトラウマを、どう克服して行けば良いのかを考えていたところで、こちらの記事を拝見致しました。
    離婚といじめではケースが違うので、違う部分があるかもしれませんが、同じ傷には変わりないと思い、自分の場合と当てはめて見ると、確かにそのいじめ(経験)が無ければ得られなかっただろうものを得たのかもしれないと思いました。
    それは自分がそういう風にされて、人の心に敏感になったことで他の人の心に寄り添うことが出来る今の自分がある、などが当てはまります。
    傷と共にいる。
    素敵な響きですね。
    そう想うと、安心や安らぎを感じるように思えます。

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