いのちをたべる(5)

こんにちは。寛子です。
かな~り、間が空きましたが「いのちをたべる」シリーズの完結編を書かせていただきます。
R0012740.JPGいのちをたべる(4) では鶏のプリマちゃん、レッドちゃんの最後を全員が、静かに祈りに似た気持ちで見守りました。そして彼らの気持ちを充分に受け取った後は…

まず、羽根をむしります。
お湯につけると羽根が取れやすくなるので、お湯をかけながらどんどん羽根を取っていきます。
親子で参加された方がいらっしゃったので、何人も子供たちがちょろちょろする中でしたが、これも親の立場にとっては賛否両論あるようです。
けれども、子供の方が大人より冷静に受け止めているように感じられました。

むしったふわふわの羽毛は一瞬何かに使えそう…!と思ったのですが、野鳥たちが巣の材料に使うということで、そのまま放置。これも自然のサイクルの一つですね。
R0012743.JPGそして段々と…見慣れた鳥肌が見えてきます。
それまでの行程をずっと直視出来ずにいた参加者の学生の女の子が、見慣れた肌色鳥肌の肉塊になっていた途端にスイッチが切り変わったようで…
「美味しそう…グッド(上向き矢印)

全く態度が変わってしまいました。
R0012744.JPG
羽毛が全て取り去られた後は、場所を変えて室内で部位ごとにばらしていきます。
親子参加のお子さんも、怖がるどころか興味津々で身を乗り出していますね!
こうしてみると、肉屋にぶら下がっているものと相違はありません。
さっきまで野山を駆け回って、私たちの手から餌をついばんでいた鶏ちゃんたちだったなんて…

内臓や喉には、さっき食べた餌がまだ消化されずにいっぱいいっぱい詰まっていR0012750.JPGて、ちょっと切なくなりました。最後のご飯は、美味しかったのかな…
内臓などはまだ体温のぬくもりがあり、ひとつひとつ丁寧に参加者が交代で部位ごとにばらしていきました。

理科の解剖実験ではないけれども、身体のつくりにも自然と意識が向き、その生命の神秘に魅せられる時間でした。
それにしても自分の無意識の記憶に感動したのですが、他の人がさばくのに苦労していても、私が交代すると無理なくばらせる。
何故かと言うと、ベジタリアンになる前は鶏肉が大好物で、日本ではあまりみかけませんが海外でよくある丸焼きのチキンローストをみつけようものなら、必ず一人で2~3日掛けて丁寧に綺麗にばらしながら食べていたのです。
だから、肉の付き方が無意識レベルで記憶に刷り込まれていたということのようです。(それだけ、鶏さんが大好きだったということなんですけど・笑)

R001275.JPG鶏肉は、ゆっくり味わうためにシンプルに塩味だけで。
焼いたものと、鍋とで参加者全員で有難くいただきました。
大人よりもずっと、一連の出来事を冷静に受け止めていた子供たち。
「いただきますって、命をいただくってことなんだね。」
薪ストーブを見て
「これも、木の命をいただいているんだね。」
子供たちの感受性は、その現実からちゃんと最大限に必要なメッセージを受け取っているのですね。大人が思う以上に、子供たちは生死に近い場所に意識はいるのだと、実感させられました。
子供に残酷とか、そんな大人の判断はいらないのかもしれません。ただ、その命の尊さの事実さえ共有出来れば。

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この日の夜は、だいごの手作りの家にて全員雑魚寝。
しかし私は、この森の精霊たちが騒々しくて、寝かしてくれなくって…眠れず。

それから精霊たちからこの体験について色々と、メッセージをいただいていました。
人間の死生観が違うんだと。死は恐れるものではなく新しい次元での再生であること、陰陽やプラスとマイナスと同じように生と死は対になる大切なものだと、そんな話を聴きながら夜明け近くにやっとうとうと出来たのでした。

ところで先日友人より素敵な絵本を数冊、贈っていただきました。
そのうちの一冊「いのちをいただく」(西日本新聞社)は、私の書いていた「いのちをたべる」シリーズと同じテーマを扱っています。

この絵本は子供に読み聞かせも出来る、子供の気持ちに立って命の輝きを伝えるすばらしい内容でした。
食肉加工センター(牛を殺してお肉にするところ)に勤める坂本さんと息子さんとの会話や、他にも臨場感のある登場人物の大人や子供の気持ちや言葉が、魂の深い部分に触れるのでした。
西日本新聞社の本は潤治の蔵書にも多いのですが、食のタブーについて扱ったものが多いです。そういう意識は、西日本の方がどうやら進んでいるようですね。
東京などは、やはり権力の及びやすいところのため、タブーに触れにくいのでしょうか…?
この飽食の時代に、食の大切さを伝える、お子さんのいる方には是非お薦めしたい一冊です。…飽食といっても、それも先進国の話でしかないのですよね。
地球上の人口比で言えば20%の人々が餓えています。(参考:世界がもし100人の村だったら)


世界中で食べ物の総量が足りないのではなく、先進国で無駄に消費・廃棄されているためなのです。
日本国際飢餓対策機構「飢餓って、なに?」パネル資料
日本の食糧自給率は40%、輸入に6割を頼っています。自給率を上げよう、という議論は昔からなされていますが、問題はそこではありません。

日本は食糧廃棄大国とも言われており、なんと25%以上を廃棄しているのです。
期限切れ食品等の廃棄、飲食店や家庭における調理ロスや食べ残しといったものが、全体の1/4。
絵本「いのちをいただく」の帯には、「朗読を聴いて、うちのムスメが食事を残さなくなりました。」とあります。
自給率や廃棄率の知識だけではなく、食べ物には命が宿っていたということに意識を向ける、感じられる感性を養う場が、一人一人に必要なのだと、私自身子供たちと一緒のワークショップを通して実感されられました。

(シリーズ完結)

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